2022.03.01 コラム
【はじめてのCDP】初心者でもわかるCDPの基本(Treasure Data編)
はじめに
近年、データを活用して顧客とコミュニケーションを行うマーケティング活動が当たり前になってきています。
弊社にもデータ活用に関するご相談が多く寄せられており、また各企業においてのデータ活用の課題は様々です。
<お悩みの一例>
データが複数のシステムで分散管理されており、活用できる環境ではない |
CDPを導入したものの、外部ツールとのデータ連携がうまくできない |
データを扱える人材が不足しておりデータを活用しきれていない |
そこで、注目を浴びているソリューションがCDPです。
CDPとは、顧客データや外部データを統合管理して、分析・マーケティング利用するためのデータ基盤です。
CDPの概要について詳しく知りたい方は、「【はじめてのCDP】初心者でもわかるCDPの基本」、「【はじめてのCDP】初心者でもわかるCDPの基本(機能・活用編)」をご参照ください。
今回はそのCDPの中から「Treasure Data」をご紹介します。
CDPの導入をご検討されている方、ツールを比較されている方の参考になれば幸いです。
Treasure Dataとは?
Treasure Dataは、多種大量のデータを収集し、統合・管理・分析と施策への連携までをワンストップで実行できるCDPの一つです。
大手企業をはじめ多くの企業に導入されており、日本で導入されているCDPの中でもメジャーなツールです。
Treasure Dataの特徴、強みを簡単にまとめると以下の通りです。
<特徴・強み>
- Treasure Dataが提供するクラウド上でサービスを利用するSaaS型CDP
- システムそのものや、維持/監視がワンパッケージで提供されるため、ツール運用コストの削減が可能
- あらかじめ外部ツールと連携できるコネクターが豊富に用意されており、データ連携が容易
- チャットによるサポートが充実しており、データ連携方法からSQLの課題まで、手厚いサポートを提供
特に、3つ目の外部ツール連携の容易性は、他のCDPと比較しても大きな特徴となります。
CDPによってはデータ連携都度開発が必要になるケースもありますが、Treasure Dataには500を超えるデータ収集先・活用先のコネクターが既に開発・実装済みとなっており、シームレスに連携が可能です。
データ連携対象の外部ツールが多い企業は特にメリットを感じやすいかと思います。
Treasure Dataが可能とする施策
前述の通り、Treasure Dataは外部ツールとの連携が強みの一つであり、あらゆる施策に繋げる事が可能です。
<施策例>
- 高度な分析(外部データを活用し自社データと紐づけることでユーザーの興味関心分析が可能)
- OneID化(各システムで保有されている顧客情報を紐づけ、自社内でのユーザー分析が可能)
- 施策ツールとの連携(メール配信システムと連携することで一気通貫で配信が可能)
- 分析ツールとの連携(BIツールと連携することで容易にダッシュボード化が可能)
Treasure Dataの機能
先ほどTreasure Dataの3つの役割について触れましたが、実際にTreasure Dataの中ではどのような機能があるのか、主要機能を詳しくご紹介します。
<主な機能>
①Integrations Hub(統合ハブ) |
Treasure Dataと外部システムとの連携にかかる設定を行うことが可能です。
- Catalog:
Treasure Dataが提供しているツール・システムのデータコネクターが一覧で表示されます。
Treasure Dataと外部ツールを連携する際に使用します。 - Authentications:
接続済みの外部ツール・システムの一覧が表示されます。 - Sources:
過去にデータ連携したデータ元(ツール・システム)の一覧が表示されます。
②Data Workbrench(データワークベンチ) |
Treasure Dataに格納されているデータの閲覧・集計/整形、またデータフローの自動化が可能です。
- Queries:
SQLを用いて、データの加工/整形・集計が可能です。
ここの画面からSQLのスケジュール実行設定や、実行した結果を外部ツールに連携することもできます。 - Workflows:
データImport/Exportや、複数のSQLを組み合わせたデータ集計などをスケジュール実行し自動化を実現する機能です。(日次のデータ連携や、定常実行するデータ分析等に利用) - Databases:
Treasure Dataに格納されているデータを閲覧することができます。 - Master Segments:
Databasesのデータを元にした顧客プロファイルの作成が可能です。
これを作成することで、次の「Audience Studio」で顧客セグメントを作成することができるようになります。
③Audience Studio(オーディエンススタジオ) |
Master Segment で作成した顧客情報を元に、マーケティング施策で利用するための顧客セグメントの作成が可能です。
- Dashboard:
Master Segmentのボリュームやその推移、成長率等がダッシュボード上で確認することができます。 - Segments&Funnels:
Master Segmentをベースに、GUI*2 による条件指定で顧客セグメントを作成することができます。
セグメントを利用した外部ツールとの連携設定もここの機能から設定可能です。 - Profiles:
Master Segmentの顧客プロファイルの詳細を確認することができます。
*2 Graphical User Interfaceの略。ウィンドウやアイコン、ボタン、プルダウンメニューなどを使い、マウスなどで操作できるインターフェース。
Treasure Dataを活用した課題と解決策
それでは実際に、Treasure Dataを活用してどういった課題の解決ができるのか、活用例をご紹介します。
<課題>
各システム毎に、システムID(=顧客ID等)があり、顧客を紐づけた分析や施策実行ができない。
<解決>
各システムで共通のIDを持たせる事により顧客を繋げるOneID化を行うことで、あらゆるシステムのデータを紐づけ高度な分析を可能にする。
<方法>
各システムで持つ[セイ]+[メイ]+[電話番号]で突合させ、すべてが一致した場合に、同一人物としてOneIDを振る
※名寄せ方法はあくまで一例です
<疑問>
万が一、同一人物であってもOneID化を進める際に、間違えて電話番号を登録していたために別人として管理されてしまっては困るのではないか?
↓
どれか一つでも一致しなかった場合は確かに別人としてOneIDが振られますが、
OneID化を行う処理を自動化していれば
ユーザーが情報を更新したタイミングで再度名寄せが行われ、
[セイ]+[メイ]+[電話番号]が一致することで既存のOneIDが付与される仕組みを構築することが可能です。
このように、各システムで保有するデータをTreasure DataにImportし、名寄せ処理を組むことで、そのデータを用いて共通ID化を付与することが可能です。
また、Treasure Dataの「Workflows」と呼ばれる、データ集計等やデータ連携をスケジュール実行する機能を活用することで、データ更新を自動化することができます。
ID統合を行う上では、①データ連携、②名寄せ設計、③名寄せ処理、④共通ID化と大きく4つのステップが発生します。
DataCurrentでは、これらの一括サポートを提供しております。
自社のデータをうまく使いこなせない、OneID化をしたいがどう進めるべきか分からない等の課題があれば、是非ご相談ください。
さいごに
Treasure Dataにはデータを収集・統合、分析、外部連携など様々な機能が備わっています。
CDPはTreasure Dataの他にも様々なツールがありますので、是非比較材料として参考にしてみてください。
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