2026.06.08 コラム
AI Commerce SearchによるECサイトの検索高度化とPoCの進め方
はじめに
近年、生成AIの普及により、ユーザーはキーワードを組み合わせて検索するのではなく、「知りたいことをそのまま文章で入力し、適切な回答を得る」体験に慣れつつあります。
こうした背景から、単なる文字列一致ではなく、検索クエリの意味や文脈を理解したうえで情報を提示する※1「セマンティック検索」の重要性が急速に高まっています。
そんな中、いまだ多くのECサイトではキーワードベースの検索が主流となっており、『セマンティック検索』をしたユーザーに対して、ユーザーのニーズに合った検索結果を返すことができていないという課題が存在します。
このようなユーザーの機会損失を防ぎ、CVRの向上につながる検索体験を実現する手段の一つとして、本記事ではAI Commerce Search(旧Vertex AI Search for Commerce)をご紹介します。
※1 セマンティック検索:単語一致ではなく、“意味”で検索する仕組み
AI Commerce Searchとは
AI Commerce Searchとは、ECサイトやアプリにおいて、生成AI・機械学習を活用した高度な検索体験を提供するGoogle Cloudのサービスです。
提供サービスとしては、大きく以下があります。
▼提供サービス

今回は、商品検索にフォーカスしてご説明します。
商品検索では、主に以下のような検索体験を実現することができます。
- セマンティック検索により、ユーザーの検索意図を理解し、適切な商品を提
- 過去の行動データをもとに、ユーザーのニーズに応じたパーソナライズされた商品を提示
これらにより、ユーザーが求める商品にスムーズにたどり着けるようになり、購買機会の損失を防ぐとともに、CVRの向上が期待できます。
導入におけるPoCの課題
商品検索機能を導入する前に、DataCurrentではPoCを行うことを推奨しています。
PoCを実施することで、費用対効果が得られるかどうかを導入前に確認することができるからです。
しかしながら、PoCといってもどのように検証すべきかわからないケースも多いかと思います。
実際に、弊社へのご相談としても以下のような内容をいただきます。
- ABテスト等を実施すると、PoC段階での開発費用・規模も大きくなってしまうので、スモールで効果検証を実施したい
- 今取得できているデータ等で、できるだけクイックに検証したい
- 導入における評価指標をどのように設定したらいいかわからない
上記のようなご相談に対して、弊社では
『コンソール画面を使用した効果検証』を支援させていただいております。
検証の具体的な事例について、ご紹介いたします。
PoC検証ポイント
■ 『コンソール画面を使用した効果検証』の事例
検証環境:AI Commerce Searchのコンソール画面
検証方法:コンソール画面にて評価基準に該当する検索クエリを検索し、検索結果を確認する。
検証対象:セマンティック検索
評価基準:
以下3つの指標から、導入判定を行う
① 商品の妥当性
→ 上位検索結果のうち検索クエリに対して期待する商品が表示される割合
② 商品表示数の増加
→ 既存サイトに対してより多くの商品が表示される割合
③ 検索ヒット率の増加
→ 既存サイトで検索ヒット率が0件になる検索クエリに対して商品が表示される割合
検索クエリの選定基準は、既存サイトで多く検索されているが検索ヒット率が0パーセントのものや商品表示数が少ないもの、CVRが高いもの等の影響度の高いクエリを選定してみるとより効果がわかりやすくなります。
この検証のポイントは、大きく以下3つです。
- AI Commerce Searchの標準機能を使用することで実装コストを抑え、スピードが担保できる
- 検証対象をまずセマンティック検索に絞ることで、イベントデータの収集等のサイト実装が不要になり、最小のデータ要件での実施が可能
- 評価基準や検索クエリ等を整理し、PoCでの検証項目・本番以降へのゴール目標値を設計することで、本番環境でなくても十分な導入評価ができる
▼実際のコンソール画面

PoCの進め方
先述のPoCを実施するためのステップは大きく以下です。
▼PoCの進め方

必要なものGCPサービス
- AI Commerce Search
- BigqueryまたはCloudStorage(データインポートに必要)
必要なデータ
- 商品カタログ
上記の手順のみで、PoCを実施することができます。
さいごに
事前に設定した評価基準に対してPoCを実施すると
以下のような効果を確認することができます。
- 既存サイトでは『赤 スカート』という検索クエリでしか結果が得られなかった『赤いスカート』でも検索商品結果を表示
- 『缶バチ』と誤入力しても、『缶バッジ』の検索結果商品を表示
- 『雨』から『防水』『レイン』等の検索KWに関連する商品を表示
こうしたセマンティック検索による効果により、
事前に設定した以下の評価基準の達成と、CVR向上の期待ができます!
PoCの実施後、導入フェーズへと移行します。
具体的にDataCurrentでは、以下の支援を行っております。
- 要件定義
- GCP環境の構築
- AI Commerce Searchの各種機能設定、サポート
- API仕様書作成
- イベントデータ計測におけるGTM設定
- ログ、アラート設定
次回、PoC実施後のAI Commerce Searchの導入について、ご紹介いたします。
▼生成AI活用事例
弊社では、生成AIのナレッジ・事例を多数持っておりますので
是非お問い合わせください!

■ DataCurrentについて
DataCurrentは、生活者主体の考え方に基づくデータ活用を推進する専門会社として2019年6月3日に設立されました。 お客様の課題に沿ったデータ活用推進に必要なサービスを一貫して提供しています。 (サービス例:CDP導入支援、データ戦略設計、分析、広告配信、データプライバシーに関するアドバイザリーサービス、新事業立ち上げ支援)
■ DataCurrentが提供する「生成AI利活用支援サービス」の特徴
~環境整備から短期間での実装実現までを一気通貫でサポート~
DataCurrentは、企業が生成AIの導入・活用において直面する課題に対して、豊富な知見と高い技術力、外部パートナーとの連携を活かし、環境整備から総合的なサポートを提供します。 また、短期間で企画・構想から開発・実装までを実現するPoCパッケージも提供しており、企業のAI活用をスムーズに進められるようサポートします。また、短期間で企画・構想から開発・実装まで実現するPoCパッケージもあわせて提供いたします。

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【本件またはリリースに関するお問い合わせ先】
株式会社DataCurrent
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