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【テックコラム】Chromeブラウザによる User Agent の削減と User-Agent Client Hints への移行(※続編)

はじめに


こんにちは、DataCurrent の不破です。

昨年10月に「【テックコラム】Chromeブラウザによる User Agent の削減と User-Agent Client Hints への移行」というタイトルで、Google が User Agent の情報を Chrome ブラウザで段階的に削減することを発表している件について記事を書かせて頂きました。

その後、現在(2022年6月)に至るまでに更なるアップデートがあり、Chrome の公式ページにて最終的な削減後の User Agent 文字列のフォーマットが公開されましたので、今回は続編として現時点での最新情報をご紹介したいと思います。

「そもそも User-Agent とは?」等の前段についてもしご興味がありましたら、前回の記事をご一読いただけますと幸いです。

※本コラムの内容は2022年6月時点の内容である点にご留意ください。

● User Agent 削減のスケジュール


Chrome の公式ページによると、前回記事を執筆した時点から大きな変更はなく、現在は段階的削減フェーズに入ったところのようです。

■ Chrome の User Agent 削減スケジュール

2022年4月~2023年2月頃 User Agent の段階的削減と、User-Agent Client Hints への移行(Chrome101~110)
2023年4~5月頃 User Agent 削減完了(Chrome113)

実際に、現在リリースされている Chrome 101 では、既に Chrome ブラウザのマイナーバージョンの情報が削減され始めています。

フェーズ4:Chrome 101は、Chrome MINOR.BUILD.PATCHのバージョン番号(「0.0.0」)を減らしてリリースします。このバージョン番号は、Reverse Origin Trialに参加していないデスクトップおよびモバイルOS上のすべてのページロードに適用されます。(※英文意訳)

私の Chrome 101 のブラウザで確認したところ、使用している Chrome のバージョンは「101.0.4951.67」ですが、User Agent 内ではブラウザのマイナーバージョンが「.0.0.0」に削減されていることが確認されました。

Chrome 101 のブラウザ

● 最終的な削減後の User Agent 文字列のフォーマット


下記は Chrome の公式ページから抜粋した例ですが、最終的な削減後の User Agent の文字列は以下の形式になると言われています。

■ デスクトップ(Windows)の例

・削減前

Mozilla/5.0 (Windows NT 6.3; Win64; x64) AppleWebKit/537.36 (KHTML, like Gecko) Chrome/93.0.1234.56 Safari/537.36

・最終削減後

Mozilla/5.0 (Windows NT 10.0; Win64; x64) AppleWebKit/537.36 (KHTML, like Gecko) Chrome/93.0.0.0 Safari/537.36

■ モバイル(Samsung Galaxy)の例

・削減前

Mozilla/5.0 (Linux; Android 9; SM-A205U) AppleWebKit/537.36 (KHTML, like Gecko) Chrome/93.0.1234.56 Mobile Safari/537.36

・最終削減後

Mozilla/5.0 (Linux; Android 10; K) AppleWebKit/537.36 (KHTML, like Gecko) Chrome/93.0.0.0 Mobile Safari/537.36

■ タブレット(Samsung Galaxy)の例

・削減前

Mozilla/5.0 (Linux; Android 9; SM-T810) AppleWebKit/537.36 (KHTML, like Gecko) Chrome/93.0.1234.56 Safari/537.36

・最終削減後

Mozilla/5.0 (Linux; Android 10; K) AppleWebKit/537.36 (KHTML, like Gecko) Chrome/93.0.0.0 Safari/537.36

色の付いた部分が変更箇所になりますが、削減後の User Agent で取得できなくなるのは以下の項目です。

  • OSのバージョン
  • ブラウザのマイナーバージョン
  • 端末情報

たとえばデスクトップの User Agent の例を見ると、削減後のOSバージョンは「Windows NT 10.0」となっており、実際のOSバージョンに関わらず「10.0」等の値に固定されています。

また、ブラウザのバージョンについてはメインバージョンのみが正確な情報となり、マイナーバージョンは「.0.0.0」に固定されます。

さらにモバイルやタブレットの User Agent の例を見ると、削減前は「SM-A205U」や「SM-T810」といった端末情報が取得できていますが、削減後は取得できなくなります。

一方で、引き続き User Agent の文字列から取得できるのは、以下のような項目です。

  • OSの種類
  • ブラウザの種類
  • ブラウザのメジャーバージョン
  • PC or モバイル

● User Agent の削減による影響の確認


このように、削減後は User Agent の文字列が一切使用できなくなる訳ではなく、OSのバージョンやブラウザのマイナーバージョン、端末情報等の、一部の情報が利用できなくなります。

もし現在 User Agent に含まれる上記の情報を利用しており、取得ができなくなった場合に既存のサービスに影響が出てしまうような場合は、前回の記事でもご紹介させて頂いた通り User-Agent Client Hints への移行の検討することをお勧め致します。

一方で、User Agent 文字列の変更による既存のサービスへの影響が無いことが確認できた場合には、特に対応が必要のないケースもありますので、お早目に影響範囲をご確認頂くことをお勧め致します。

● さいごに


弊社では事業会社様のデジタルマーケティング活動の支援を行っています。

自社に専門人材がいない、リソースが足りない等の課題をお持ちの方に、エンジニア領域の支援サービス(Data Engineer Hub)をご提供しています。
お困りごとございましたら是非お気軽にご相談ください。

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本件に関するお問い合わせは下記にて承ります。
株式会社DataCurrent
info@datacurrent.co.jp

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