2025.03.04 コラム
探索をより簡単かつ効率的に!Looker生成AI拡張機能「Explore Assistant」
BI(ビジネスインテリジェンス)ツールとして多くの企業に採用されている Looker 。
そんなLookerに、データ探索をより簡単かつ効率的にする強力な生成AI拡張機能が追加されました。
それが、今回ご紹介する Explore Assistant です。
本稿では、Explore Assistant の概要や導入方法、活用例などを解説します。
データ分析に新たな可能性をもたらす Explore Assistant について、知見向上のお役に立てれば幸いです。
1. Lookerについて
■ ツール概要
Lookerは、Google Cloudが提供するエンタープライズ向けのビジネスインテリジェンスプラットフォームです。
組織内の様々なデータソースに接続し、データを可視化・分析するための機能を提供します。
Lookerの最大の特徴は、LookMLと呼ばれる独自のモデリング言語です。
LookMLを用いることで、データに関するビジネスルールや定義を一元的に管理でき、分析の精度と効率性を向上させることができます。
■ Looker StudioやLooker Studio Proとの違い
Lookerと混同されやすいツールとして、Looker StudioとLooker Studio Proがあります。
これらのツールは、それぞれ以下のような特徴を持っています。
Looker Studio
・Looker Studio は、Google が提供する無料のデータ可視化ツールです。
・様々なデータソースに接続し、レポートやダッシュボードを作成できます。
・Looker Studio は、Looker と比較して、よりシンプルな機能セットを提供します。
Looker Studio Pro
・Looker Studio Pro は、Looker Studio のエンタープライズ版です。
・Looker Studio Pro は、Looker Studio の機能に加えて、Looker との連携機能や、より高度なセキュリティ機能などを提供します。
Lookerは、Looker StudioやLooker Studio Proと比較して、より高度なデータモデリング機能や、大規模なデータ分析機能を提供します。
より複雑なデータ分析や、組織全体でのデータ活用を推進したい企業に適しています。
2. Explore Assistant について
■ 機能概要
Explore Assistantは、Lookerに搭載された生成AIを活用したデータ探索機能です。
自然言語による質問に答える形で、必要なデータや分析結果を提示してくれます。
Explore Assistantの導入により、ユーザーはSQLなどの専門知識がなくても、データ探索や分析を簡単に行えるようになります。
これにより、データ分析の民主化が進み、より多くの人がデータから価値を生み出せるようになるでしょう。
■ 導入方法
Explore Assistantの導入にあたって必要なステップは、以下となります。
※導入手順詳細については、Github上に公開されているソースコードよりご確認ください。
Step1:ソースコードのクローン
Github上に公開されているソースコードをクローン
詳細:https://github.com/looker-open-source/looker-explore-assistant/
Step2:バックエンド構築
構成パターンには、CloudRun版とBigQuery版の2パターンがございます。
ご利用の環境に応じて適切なパターンを選択ください。
詳細:https://github.com/looker-open-source/looker-explore-assistant/tree/main/explore-assistant-backend

Step3:フロントエンド構築
Looker管理画面よりConnectionの作成とLookMLの構築を行います。
詳細:https://github.com/looker-open-source/looker-explore-assistant/blob/main/explore-assistant-extension/README.md
■ 出来ること/活用例
Explore Assistantでは、主に以下のことが可能です。
・自然言語でのデータ検索
「〇〇の売上は?」「〇〇の顧客数は?」
といった自然言語での質問に回答できます。
・データの可視化
質問内容に応じて、適切なグラフや表を自動で生成します。
・分析レポートの作成
複数の質問を組み合わせることで、分析レポートを簡単に作成できます。
Explore Assistantを用いることで、例えば営業担当者であれば、
顧客の属性や購買履歴を分析し、最適な営業戦略を立案したり
マーケティング担当者であれば、
キャンペーンの効果測定や、顧客の行動分析を行うなど活用の幅を広げることが出来るでしょう。
■ 実際に使ってみた
実際にExplore Assistantを使ってみます。
アプリケーションからExplore Assistantを選択し、入力画面を開きます。

対象のExploreを選択し、自然言語による質問を入力の上、送信ボタンを押します。
ここでは例として「去年のカテゴリ別の売上は?」と入力。

すると、下記の様に自動でグラフが生成されます。

さらに続く形で「テーブル形式でデータラベルを付けて」と指示してみると、ビジュアリゼーションが自動で変更されました。

このように、自動生成されたグラフに対する変更なども、自然言語で処理することが可能です。
Explore Assistantは、データ分析やLookerの知識やスキルが豊富でない方でも、簡単にデータを探索・分析できる強力なツールと言えるかと思います。
3. 「Looker 生成AI拡張機能構築支援サービス」について
今回は、導入方法や活用イメージを紹介しましたが
生成AIのセットアップ/定義作成のためにLookMLのドキュメントメイク/LookMLで基盤を構築することをDataCurrentでは得意としております。
弊社では「ダッシュボードの活用が進まない」「分析にかける時間がない」
「ダッシュボード作成人材不足」というような課題をお持ちの企業様に向け、
今回ご紹介した「Explore Assistant」など
Looker 生成AI拡張機能を用いたダッシュボード構築・活用のご支援を行っております。
詳しくは下記コラムよりご覧ください。
》LookerのAI機能で直感的なデータ分析を実現!DataCurrentのLooker 生成AI拡張機能構築支援サービスのご紹介
4. さいごに
いかがでしたでしょうか。
今回はLookerの生成AI拡張機能「Explore Assistant」について、ご紹介致しました。
本稿が皆様の組織内でのデータ民主化やデータ価値創造のお役に立てれば幸いです。
■ 関連記事
Google Cloud 主催イベント【生成 AI 相談会】に登壇して感じた生成AIへのチャレンジと未来
DataCurrentについて
DataCurrentは、生活者主体の考え方に基づくデータ活用を推進する専門会社として2019年6月3日に設立されました。
お客様の課題に沿ったデータ活用推進に必要なサービスを一貫して提供しています。
(サービス例:CDP導入支援、データ戦略設計、分析、広告配信、データプライバシーに関するアドバイザリーサービス、新事業立ち上げ支援)
■ DataCurrentが提供する「生成AI利活用支援サービス」の特徴
~環境整備から短期間での実装実現までを一気通貫でサポート~
DataCurrentは、企業が生成AIの導入・活用において直面する課題に対して、豊富な知見と高い技術力、外部パートナーとの連携を活かし、環境整備から総合的なサポートを提供します。
また、短期間で企画・構想から開発・実装までを実現するPoCパッケージも提供しており、企業のAI活用をスムーズに進められるようサポートします。
また、短期間で企画・構想から開発・実装まで実現するPoCパッケージもあわせて提供いたします。

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