Column

コラム

  • 【Looker入門】最初につまずかないためのLooker設計...

【Looker入門】最初につまずかないためのLooker設計のポイント

初心者が見落としがちな「設計」の重要性とは?

Lookerは、データ分析やダッシュボード作成を効率化できる便利なツールです。
近年では、データ活用の文脈でLookerに触れる機会も増えてきました。

一方で、実際に運用してみると、「正しい数値を反映できない」、「ダッシュボード間でデータに不一致がある」などの壁にあたり、「思ったより難しいな…」と感じるケースも少なくありません。

実際、Lookerは画面操作自体は比較的シンプルな一方で、その前段階である設計や考え方の部分でつまずくケースが多いツールです。

特に初心者のうちは、「どう作るべきか」が分からないまま進めてしまいがちです。
しかも、多少ズレた作り方をしていても、一見それっぽいダッシュボードは作れてしまいます。

その結果、

  1. ダッシュボード上の数値や分析結果を信頼できない
  2. 分析したい内容を十分に実現できない
  3. 利用者に活用されず、誰にも使われなくなる

といった問題が発生し、期待した成果を得られないケースも少なくありません。

この記事では、Looker初心者がハマりやすい落とし穴と、その回避ポイントを整理します。

よくある躓きと対処法

① 定義があいまいなまま、とりあえずグラフを作ってしまう

Looker初心者が最初にやってしまいがちなのが、「まずはグラフを作ってみよう」と進めてしまうことです。ただし、「売上」や「ユーザー数」といった指標の定義が曖昧なまま進めると、人によって解釈が異なる状態になりやすくなります。

たとえば「売上」だけでも、

  • キャンセルを含むのか
  • 税込 / 税抜どちらか
  • 注文ベースか出荷ベースか

など、認識がズレるケースがあります。

しかも、多少ズレた状態でも一見それっぽいグラフは作れてしまうため、運用後に
「数字が合わない」、 「部署ごとに見ている値が違う」といった問題につながることもあります。

【対処法】

最初に、「この指標は何を意味するのか」を言語化しておくことが大切です。

たとえば、

  • 売上の定義
  • 除外条件
  • 集計単位

などを事前に整理しておくだけでも、その後の認識ズレを防ぎやすくなります。

② 必要になったタイミングで都度指標を作ってしまう

Looker初心者が陥りがちなのが、Excelのように「必要になったらその場で計算を作る」という使い方です。

【起こりがちな実務上のフロー】

  1. 必要な指標(例: 粗利)がExplore上に存在しない
  2. 画面上の「表計算機能」で、その場限りのローカルな計算式を組み込む
  3. 別のダッシュボードでも同じ指標が必要になり、同様の計算式を個別に再作成する
  4. 指標の定義変更時(例: 原価に配送料を含める)、全ダッシュボードの手修正が必要に。

→ 修正漏れにより、レポート間で「数字の不一致」が発生する可能性

対処法

Lookerでは、指標を都度作るのではなく、「共通ルールとして定義し、全員で使い回す」という前提で設計することが重要です。

最初に定義を揃えておくだけでも、

  • 数字のブレを防ぎやすい
  • ダッシュボードを再利用しやすい
  • 属人化しにくい

といったメリットがあります。

③ データ構造(テーブル)の設計を意識せずに進めてしまう

Lookerでよくある失敗が、元データの形を意識せず、「使えそうなデータを画面(Explore)で適当に結合してしまう」ことです。

データの「1行が何を表しているか」を無視して繋げてしまうと、Lookerの裏側でデータが掛け算されて増殖し、売上などの数字が2倍・3倍に膨れ上がるという現象が起きます。

具体例:「注文テーブル」と「注文詳細テーブル」の結合

  • 注文テーブル(主): 1つの注文(粒度:注文IDごと)
  • 注文詳細テーブル: 注文された個別の商品(粒度:注文ID × 商品ごと)

もし、1つの注文(10,000円)に対して、商品が3つ購入されていたとします。 この2つのテーブルを単純に結合すると、結合後のデータは以下のようになります。

注文ID注文金額(主)購入商品(詳細)商品価格
00110,000円りんご3,000円
00110,000円みかん2,000円
00110,000円ぶどう5,000円

この状態で、Lookerで「注文金額の合計(SUM)」を計算するとどうなるでしょうか?
Lookerはデータベースに対してSQLを発行するため、10,000円 × 3行 = 30,000円 という間違った集計結果(本来の3倍)を出力してしまいます。

対処法

データをどの単位(粒度)で扱うのか、どのテーブルを「主(ベース)」にするのかを事前に整理し、Lookerの機能で適切に制御する必要があります。

なぜ、理解していても実務では詰まるのか?

ここまで読むと、 「意外とシンプルじゃないか」と感じるかもしれません。
実際に概念だけならそこまで難しくありません。

では、なぜ実務で詰まってしまうのか?

その主な要因としては、「正しく決める」こと自体が難しいという根本的な課題にあります。

例えば「売上」という指標ひとつでも、

  • どのテーブルを基準にするか
  • 売上の計算式はどうなっているのか
  • キャンセルの扱い
  • 日付の定義(受注日 / 出荷日 など)

といった複数の判断が必要になります。

さらに重要なのは、一度決めた定義を変更すると、既存のダッシュボードや過去データにも影響が及ぶため、見直しに一定のコストがかかる点です。

最後に

Lookerは非常に強力なツールですが、成果は「設計の質」に大きく依存します。

ただし実際には、

  • 指標が何を意味するのかを整理する
  • データをどのような構造で扱うかを設計する
  • どのルールでデータを使っていくかを決める

これらをすべて対応するのは、想像以上に難易度が高い領域です。

「とりあえず作る」か、「最初に設計する」かで、かかるコストとやり直しの有無は大きく変わります


もし、

  • 何から決めるべきか分からない
  • 作り直しを避けたい
  • 最初から実用的な状態で運用したい

といった場合は、構築前の設計整理から進めることをおすすめします。

DataCurrentでは、利用目的や現状課題、業務フローを踏まえ、実運用を見据えたダッシュボード設計・運用をご支援しています。

具体的なプランが決まっていなくても、ご相談ベースから対応可能です。
まずはお気軽にお問い合わせください。

》【ダウンロード資料】Looker利活用支援サービス

Looker利活用支援サービス

本件に関するお問い合わせは下記にて承ります。
株式会社DataCurrent
info@datacurrent.co.jp

人気のコラムランキング

PICK UP

企業のDX推進におけるダッシュボード内製化について

DXmarketingPICK UP コラムダッシュボード内製化

企業のDX推進に向けた人材教育支援について

GA4marketingPICK UP コラム内製化

【データプライバシーコラム】電気通信事業法改正の解説(2022年7月時点)

CMPPICK UP コラムデータプライバシーデータプライバシーコラム個人情報保護

CMP導入時の注意点

CMPPICK UP コラムデータプライバシーデータプライバシーコラム個人情報保護

TOPへ
戻る