2025.04.04 事例
GA4導入から実践活用へ、ベルトラが推進するマーケティングの最適化
Googleアナリティクス 4(GA4)の導入は進んでいるものの、ユニバーサル アナリティクス(UA)との違いや最新指標の理解が不足し、十分に活用できていない企業も少なくない。
現地体験型アクティビティ専門予約サイトの『VELTRA (ベルトラ)』を運営するベルトラ株式会社では、GA4の基本的な使い方から具体的なデータ分析手法を習得し、実践的な活用力を高め、顧客一人ひとりに合わせたマーケティングに活用している。
今回の対談では、ベルトラ株式会社 経営企画室の下村 泰之氏、Veltra.com Strategy Office – Data Analytics Unitデータアナリストの中山 諒氏に、GA4活用支援の採用の経緯や実施後の効果、そして顧客一人ひとりに最適化されたマーケティング施策を実現するための今後の展望について話を聞いた。
※本記事は2025年2月時点の内容です

データ活用の壁:GA4導入後の課題
―GA4に関する支援を受けるにあたり、当初どのような課題や背景があったのか教えてください。
下村氏:弊社が抱えていた当初の課題は、「データ活用が充分にできていない」という点にありました。データ自体は蓄積されているものの、その活用に社内でなかなか着手できずにいる状況でした。
この状況を打破するため、自分たちでデータ活用を進めるべきか、外部の専門家に委託するべきか、社内で議論を重ねておりましたが、まずはデータそのものを理解する必要があると考え、貴社をご紹介いただきました。
畠中:データ活用に課題を抱えていらっしゃったのですね。様々な業種のお客様を支援しておりますが、多くの企業様が同じような悩みを抱えていらっしゃいます。

下村氏:いくつかお話を伺う中で、まず優先的に取り組むべきは GA4 の活用である、という結論に至りました。GA4 は、現場メンバーにとって最も使いやすく、利用頻度の高いツールです。しかし、その機能を充分に活用できていないのは非常にもったいないと感じていました。
また、以前から利用していた UA も、社内で充分に理解されておらず、以前の担当者が行っていた作業をそのまま引き継いで、詳細の内容を把握できていない、という課題もありました。
そのため、GA4 を活用し、データを現場レベルで理解できるようになれば、様々な課題解決に繋がるのではないかと考えました。GA4 について色々調べていく中で、自分たちで講習を受けたり、書籍などを参考にしながら勉強することも検討しましたが、GA4 は専門的な用語も多く機能も豊富なため、専門家に支援いただいた方が効率的だと考えました。

畠中:確かに、GA4はUAからの変更点や新指標を把握し、基礎知識を押さえることで、より効率的に理解を深めることができますね。
中山氏:そうですね。GA4 自体の設定や指標の違いなど細かい部分について、社内にナレッジがなく不安がありました。コロナ禍でUA、GA4の従事者が退職される際、ナレッジの多くを形式知として保管できなかったためです。支援いただく中で、これらの答え合わせができた点は非常に良かったです。
オーダーメイドレクチャーで理解度アップ
―GA4に関する支援の一つとして、社内での活用部署を増やすためのレクチャー会などのトレーニングを実施しました。トレーニングにおいて、特に期待されていた点があれば教えてください。
下村氏:レクチャー会で最も期待していたのは、GA4の用語や指標の定義など基本的な知識の習得と、GA4でどのような分析ができるのか具体的な活用方法を理解することでした。これらを把握することで、「こういう分析をしたい」といった具体的な要望が生まれ、今後の活用促進につながると考えました。
畠中:ありがとうございます。
実際に、レクチャー会には様々な部署の方に参加していただきました。当社でレクチャー会のメイン講師を務めた山口さんの方で工夫したポイントはありますか?
山口: レクチャー会では、業界特有の用語やビジネス構造を考慮し、参加者の理解をより深められるよう工夫しました。事前に、具体的なユースケースや目的・課題を少人数で整理し、作戦会議のような形で摺り合わせを行ったうえで、トレーニングの内容を設計しました。その結果、一般的なGA4の勉強会ではなく、ベルトラ様の業務に即した内容を提供できたため、参加者の理解度も向上し、実践的に活用できる知識を習得していただけたと考えています。
畠中:レクチャー会参加後にGA4を触っている現場の方々からのフィードバックがあれば教えてください。
中山氏: セールスチームの参加率が最も高く、メンバーとのコミュニケーションの中で販売担当国のお客様がどこのページから流入しているのか知りたい」という声が多く聞かれました。
レクチャー会で学んだ経路探索機能を活用することで、その疑問を解決できるとチーム内で共有され、実務の現場で活用されました。特に、参加メンバーが他のメンバーへノウハウを伝える形で知識が浸透していった点は、大きな成果の一つだと感じています。
畠中:ありがとうございます。それは素晴らしいですね。

データアナリスト中山 諒氏
中山氏:特に経路探索は、UA時代からの主力となる分析の一つでした。その手法を可視化できるということを伝えられたので、非常に効果があったと思っています。
レクチャー会で学んだ手法を活用することで、その疑問を解決できるとチーム内で共有され、経路探索機能が実務の現場で活用されました。特に、参加メンバーが他のメンバーへノウハウを伝える形で知識が浸透していった点は、大きな成果の一つだと感じています。
顧客ID統合でGA4データ活用を深化
―データ活用の目的として重要視していることを教えてください。
中山氏:現在、弊社が最も重視しているのは、お客様一人ひとりに焦点を当てた1to1マーケティングです。現在、顧客データや行動データを活用し、9つのセグメントを作成。その上で、それぞれのお客様の予約が最大化する最適なマーケティングチャネルと施策を見つけ、個別最適化されたコミュニケーションが行われる設計を進めています。
畠中:1to1 マーケティングは、顧客満足度向上に繋がる重要な取り組みですよね。データに基づいた最適なコミュニケーション設計は、その効果を最大化する上で不可欠です。

中山氏:はい。データに基づいて顧客理解を深め、お客様に最適な情報を届けることで、よりパーソナルな体験を提供したいと考えています。
畠中:経路探索だけでなく、コホート分析についてもレクチャー会の際に積極的にご質問いただいている印象がありました。コホート分析はレクチャー会ではどのような話をしましたか?
山口:コホート分析は、顧客の行動パターンを把握し、長期的な視点で施策の効果を検証する上でも、1to1 マーケティングにおいて非常に重要な分析手法です。ベルトラ様にとって実践的で効果的な形でコホート分析を活用できるよう、レクチャー内容や進め方に工夫を凝らしました。
―GA4データを含めたデータの利活用について今後の展望を教えてください。
中山氏:現状、GA4 のログに対して顧客 ID が紐づいていません。今後は、顧客 ID と GA4 をしっかり紐づけられるようにして、より深い顧客理解を目指していきたいと考えています。そして、GA4 のデータ含め、顧客データや予約データなどBigQuery上で統合した様々なデータをLookerがSSoTとして機能する状態を実現し、横断的に全てを分析できるようにしていきたいと考えています。
畠中:BigQueryへGA4ログデータ連携を行い、他システムとデータ統合をすることは 、より高度な分析や活用を行う上で非常に重要なステップです。弊社としても、ベルトラ様のデータ利活用までをトータルでサポートさせていただきたいと思っていますので、今後ともよろしくお願いいたします。
※本記事に掲載されている商品またはサービスなどの名称は、各社の商標または登録商標です。
―ベルトラ株式会社様にDataCurrentをご紹介いただいたグーグル・クラウド・ジャパン合同会社 Business Intelligence Sales Specialist, Jihyeon (Annie) Lee様よりコメント
① ご紹介いただいた背景
「DataCurrent様は、データ利活用に関する豊富な支援実績をお持ちであり、国内の大手メーカーや流通業界など特定の業界に偏らず、業務最適化や売上成長に広く貢献されています。また、フロント営業の方々も高度なSQLスキルと分析能力を有しており、お客様の課題を的確に把握し、具体的な解決策を提案できる点が強みでしたので、ベルトラ様の課題解決に大きく貢献されると考え、ご紹介させていただきました。」
② レクチャー会に参加いただいた感想
「今回の研修会では、単なるGA4の操作説明に留まらず、ベルトラ様の具体的な業務に合わせた活用方法を、基礎から機械学習などの応用まで幅広くご説明いただきました。営業、マーケティング、経営企画など、多様な職種から50名以上が参加し、各担当者の専門分野に沿った質問が多数寄せられました。例えば、『離脱率やトランザクション率の算出方法は?』、『外部SNSからの流入経路の特定方法は?』といった具体的な質問に対し、DataCurrent様は、実際の画面を用いて丁寧に解説されました。非常に分かりやすく、参加者様からも『業務にすぐに役立つ情報が得られた』といった声が寄せられました。」
本記事では、GA4活用における課題と、それを乗り越えるための具体的なステップ、さらに統合したBigQueryとLookerを用いた今後のデータ活用の展望についてお話を伺いました。
DataCurrentでは、GA4の初期導入からデータ取得、カスタム設定、分析ダッシュボードの作成まで、マーケティングに活用しやすい環境の整備を支援しています。さらに、GA4に限らず、データ利活用全般の支援も行っており、企業の課題に応じた最適な支援をご提供します。ご興味のある方は、ぜひお問い合わせください。
》CDP総合支援サービス ~構想・構築・活用~ サービス詳細はこちら
本記事に関するお問い合わせは下記にて承ります。
株式会社DataCurrent
info@datacurrent.co.jp
・Google Cloud は Google LLC の商標です