コラム

2021.06.29

【データ連携担当のトラブルメモ】#6. タグによる計測が停止した時に確認したいこと

● はじめに

 本シリーズでは「データ連携担当のトラブルメモ」と題して、DataCurrent社データ連携担当として携わってきた、データ連携にまつわる様々なトラブルやヒヤリ・ハットを振り返り、その原因究明のポイントや対策などを備忘録的に整理してまいります。

 非常に基礎的な内容も含まれると思いますが、それゆえにこれからデータ連携領域を担当されるという方々の一助になるようなものにできればと思います。

● 今回のデータ連携担当(プロフィール)

寺島 健太
2018年4月に株式会社サイバー・コミュニケーションズ(CCI)入社。Treasure Data、BlueKaiなどのDMPの実装・運用領域を担務。2021年2月よりデータの利活用を推進するコンサルティング会社「株式会社DataCurrent」に出向、事業会社のデータ基盤構築サポートやダッシュボード開発などを担当。

● 第6回 計測タグが動いていない…

計測タグを正常に運用していくために

 計測タグの生成や計測確認、既存タグの更新など、計測タグを適切に作動させ計測データを得るためには様々な観点で慎重な確認、実装が必要となります。

 しかし、どんなに細心の注意を払ってタグを運用していても、時にはそのタグ自体の問題ではない、外的要因によって計測に支障を来してしまう場合もあります。

 本記事では、そうした外的要因によるトラブルへの対処や教訓を、実際に体験したトラブルと共にご紹介させていただきます。

事象

 ある日、計測タグを設置しているWebサイトのアクセスログを集計しているときの事です。

 毎月行っているこの集計業務の結果を確認していた私は、ある違和感に気が付きました。

 「あきらかに普段よりも計測数が少ない…。」

 前月集計したときの数値よりも異常なほど少ないアクセス数。すぐにアクセスログの蓄積状況を分析してみると、ある日を境にぱったりとログの蓄積が止まってしまっていることがわかりました。

 このことから察するにタグの計測が正常に働いていない様子。早速、この事象を計測タグを設置しているWebサイトの事業者に連絡し、計測タグをセットしてるタグ管理ツール「Google Tag Manager」や、計測タグ自体に何か変更を加えたか確認をします。しかし、返答は「一切手を加えていない」とのこと。

 一体どうして計測が止まってしまったのか。原因の特定ができるのかと不安を抱えつつ、確認を開始しました。

タグ設置環境

弊社利用の計測サービス: Treasure Data
利用ツール: Google Tag Manager 

原因と解決

 早速計測対象のWebサイトを開き、タグの動作状況を確認してみます。

 原因は、やはりタグがエラーを発生させてしまっていたことでした。ただし、私たちのTreasure Dataのタグではなく別のタグの、という話になります。

 エラーとなっていたのは、今回計測が止まっていた計測タグではなく、それより前に設置されていた、私たちのタグとは関係のない”他のタグ”でした。そこではJSファイルの読み込みがエラーになってしまっており、タグの通信ドメインから調べてみると、どうやらすでにサービス停止となっているもののようです。そのタグが、サイトに残り続けてしまっていたのでした。

 このWebサイトでは複数のタグを一括管理するツール「Google Tag Manager」を利用していました。そして私たちのTreasure Dataの計測タグや、今回問題となった、JSファイルの読み込みエラーを発生させていたタグは、このGoogle Tag Managerでまとめて管理されていました。そうしてまとめて管理されていた中で、サービス終了している他サービスのタグでおきたエラーがほかのタグへ干渉し、つまり私たちのTreasure Dataのタグへ干渉してしまっていたのです。結果、私たちのタグが動作を停止させ、正常に計測ができなくなっていた、というわけでした。

 なるほど、利用しているタグ自体に手を加えなくとも、他のタグの影響を受けて正常に動作しないことがあるのですね。

 結果、このエラーとなっていたタグをGoogle Tag Managerから外していただくことで、後続のタグの計測は復旧し、無事アクセスログを正常に取得できる状態に戻すことができました。

対策

 今回の事象は自社で運用してない他のタグの影響によるもので、エラーの完全な回避は難しいところがあります。

 「他のタグの影響を受ける可能性がある」ことを念頭に置いたうえでタグの設置位置を工夫する、日頃の管理体制を周辺タグの動作状況も視野に入れたものとする、など、周辺タグを意識した運用によってこうしたトラブルに対処できる体制を整えておきたいですね。

まとめ

  1. エラー発生時は、まずは変更履歴を確認する。
     
  2. タグ自体に変更などを加えていなくても、周辺のタグの状況などに影響を受けて停止することがあるため、エラー発生時は他のタグが干渉していないか確認する。

 弊社では、新規データソースの連携方法の整理や実際の連携作業、開発といったことから、既に連携しているデータのトラブル、ご相談まで幅広くサポートしています。お困りごとございましたらお気軽にご相談ください。

本件に関するお問い合わせは下記にて承ります。
株式会社DataCurrent
info@datacurrent.co.jp