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老舗カタログ通販大手「千趣会」のDXを進化させたデータ活用のポイント

 Senshukai Make Co-はカタログ通販大手・千趣会の戦略的事業会社。カタログ通販事業で培ったアセットを生かし、顧客企業のマーケティング活動を支援している。この事業を展開するため、DataCurrentのサポートのもと顧客データ基盤の構築を進めている。データの活用はマーケティングをどのように進化させるのか。それは顧客にどんな価値をもたらすのか。Senshukai Make Co-のチャレンジをひもといてみたい。

千趣会のデータをフル活用して新たな価値を創出する

株式会社Senshukai Make Co-
代表取締役社長
兼 千趣会経営戦略部部長
岩本 公輔氏

 顧客のニーズや価値観がますます多様化・細分化している。こうした中、重要度を増してきているのが「顧客を知ること」。顧客に関するデータを統合・分析し、顧客体験価値を高める仕組みをつくることが、より大切になってきているのだ。

 この実現に向け、新たな一歩を踏み出した企業がある。カタログ通販サービス「ベルメゾン」を運営する千趣会の戦略的事業会社Senshukai Make Co-(センシュカイメイクコー)である。

 「外部環境が急速に変化しデジタル化が加速する中、千趣会が創業以来、大切にしている『お客様とのつながりや絆』を守り、よりよい体験価値を創造し続ける。当社は千趣会グループが培ったアセットを生かし、データ分析によって“個客”のニーズと期待に応えるマーケティング全体の設計と実行を担っています」と同社の岩本 公輔氏は説明する。

 実際、メディアとしてのベルメゾンのポテンシャルは非常に高い。オンラインショップ「ベルメゾンネット」の月間閲覧数は1.3億PV以上。カタログ、メルマガ、SNSなどオフライン/オンラインで様々な顧客接点も持っている。

子育て世代を中心に幅広い年齢層の女性に支持されており、ベルメゾンの世界観に共感する根強いファンが多いのも特徴だ。実効会員数は約300万人、年間平均購入金額は約2万円。「このブランドポテンシャルを最大化し、千趣会や他社へ成功モデルを創出・提供することが当社のミッションです」と岩本氏は続ける。

データのリアルタイム分析で顧客の「今」を深く知る

 パートナーとの共創で、まだ見ぬ価値を追求したい――。Senshukai Make Co-設立の背景には、そんな強い思いがある。「以前は『どのようなデータがあればよいのか』『どのような組織であるべきか』。それすら定まっていない状況でした」と岩本氏は振り返る。

 その結果、多くのデータを保有しているのに、顧客像が見えず、マーケティングの仕方が進化しない。データ活用を推進するための専門部隊もなく、ペルソナ像作りも進まない。各部門のKPIがうまく連動していない。そんな課題に直面していたという。

 課題解決に向け、Senshukai Make Co-はデータ活用戦略の大方針を策定した。全社的なCDP(Customer Data Platform:顧客データ基盤)によって施策設計・実行、評価指標の統一化を図り、データ活用を前提とした販促・マーケティングを実現するというもの。具体的には、従来のペルソナ像分析ではなく、CDPをベースにリアルタイム分析を行い、現在の顧客データ分析を軸とした施策を設計・実行する。

 「年齢・性別・居住地域・家族構成だけでなく、趣味・嗜好、ライフスタイル、購買特徴など定性的なデータもリアルタイム分析すれば、お客様の『今』を深く知ることができます。これにより的確なマーケティング施策を行い、差別化された顧客体験価値の創造を目指しています」と岩本氏は話す。

DataCurrentとの共創で CDPの構築・活用を推進

株式会社DataCurrent
代表取締役社長
多田 哲郎氏

 データ活用戦略の大方針の実現に向け、Senshukai Make Co-がパートナーに選定したのがDataCurrentだ。同社は生活者主体の考え方に基づくデータ活用を推進する専門会社。企業のデータ戦略立案、CDPの開発及び運用保守、データを活用したマーケティング施策、プロモーションの企画設計などを支援する。

 顧客接点は複数保有していても、各事業にひも付くデータが個別に管理されているとデータ活用の全体戦略が描けない。いわゆる「データのサイロ化」に陥ってしまう。このようなケースに対し、DataCurrentはCDPを軸として顧客を理解し、顧客体験価値を高めるための仕組みづくりを支援しているという。

「データをどのように集め、蓄積・活用して顧客理解につなげるか。Google CloudやAmazon Web Servicesなどのクラウドサービスを活用したCDPを企画設計・構築し、お客様が保有するデータを最大限に生かした『マーケティングPDCA』を一貫してサポートします」とDataCurrentの多田 哲郎氏は話す(図1)。

図1 DataCurrentのサービスポートフォリオ
データを活用したマーケティング戦略、顧客コミュニケーションの高度化や分析支援までサポートする。データ可視化のためのダッシュボード開発やデータプライバシー領域も支援可能だ

成長ステージに応じて データに基づく最適な施策を提案

 DataCurrentのサポートにより、Senshukai Make Co-のデータ活用戦略は大きな飛躍を遂げており、進化し続けている。会員データや外部データを活用し、より詳細な顧客プロファイルが可能になったからだ。「今後、アンケートによる顧客情報やコールセンターのログデータを機械学習によって分析することで、より精緻なコミュニケーションを実現し、ブランドや商品に対するエンゲージメントも深く把握できます」と岩本氏は語る。

 顧客プロファイルに基づき、効果的な施策も展開しやすくなった。例えば、「潜在層」の顧客に対しては、CDPが保有する顧客情報や他サイトでの行動などを分析し、新規顧客の獲得やターゲティングに活用。コンテンツの精度も上げて、広告などによる流入効率の向上を図る。その一方で、「検討層」は検索キーワードなどを基に顧客を抽出し、特徴を分析。“個客”のニーズや嗜好にマッチした商品シナリオを提案する。さらに「見込層」には“個客”属性と購入意向を基に商品レコメンデーション型コミュニケーションを展開し、購入促進を図るといった具合だ。

 今後は、データ分析ダッシュボードの導入により、社内の複数部署間での情報共有を促進し、分析結果に関する共通認識も得やすい環境を整えることで、KPIの可視化、セグメントごとの動向モニタリングやマーケットトレンドとの比較など、幅広い用途でのデータ活用も可能だという。

 “個客”エンゲージメントの維持・向上には、乗り越えるべき「3つの壁」があると言われる。適切なターゲット顧客とのフィッティングが見えない「フィッティングの壁」、一部のファンにしか受け入れられず広く浸透しない「浸透の壁」、ロングセラー故に飽きられる/客層が広がらない「マンネリ化の壁」である(図2)。

図2 3つの壁とSenshukai Make Co-の提供価値
“個客”エンゲージメントには黎明期、成長期、成熟期の成長ステージごとに壁がある。Senshukai Make Co-はベルメゾンのリソースをフル活用し、3つの壁を超える最適なソリューションを提供する

 「ベルメゾンのリソースをフル活用することで、千趣会グループ内での貢献に加え、他社に向けても成長ステージの黎明期、成長期、成熟期それぞれの課題に対し、最適なソリューションを提案します。分析レポートから適切な対応施策を選定し、PDCAを回すことで、売上増を継続支援します」と岩本氏は強調する。

 既に、Senshukai Make Co-が手掛ける他社との共創事業においても、すべてデータ活用を前提に取り組んでいる。中古品売買大手のオークネットはその1社だ。現在、衣料品を中心とした宅配買取サービスにもCDPを活用し、回収したアイテムの再流通、買取情報に基づく顧客への商品紹介の最適化を両社で進めている。

 今後もSenshukai Make Co-ではCDPのさらなる強化と拡充を図り、共創パートナーのビジネスに貢献していく構えだ。より俯瞰的なデータの把握・分析ができるように統合ダッシュボードの構築も進めているという。

 ビジネスをデジタル化する上で、データ活用は欠かせない条件となりつつある。DataCurrentはデータ運用基盤の企画設計・開発からマーケティング活動における運用支援まで一貫サポートできる強みを生かし、デジタルビジネスを支えるCDPの構築・運用とデータ活用を強力に支援していく考えだ。

※日経BPの許可により「日経クロステックSpecial2023年1月10日~2023年2月6日」に掲載された広告を抜粋したものです。禁無断転載

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本記事に関するお問い合わせは下記にて承ります。
株式会社DataCurrent
info@datacurrent.co.jp

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