2023.10.27 コラム
2023/10/26セミナーレビュー|施策活用に繋げる顧客分析のカギとは~分析における仮説の考え方を徹底解説~
はじめに
先日10月26日(木)に行われたセミナー「施策活用に繋げる顧客分析のカギとは~分析における仮説の考え方を徹底解説~」についての内容を紹介いたします。
今回のセミナーでは顧客分析を行う上で重要な仮説の考え方を、実際の分析事例を交えて解説させていただきます。
データ分析・活用の課題とあるべき姿
顧客に関連するデータを集約している企業様が増えている一方で、「データ活用での結果が見えづらい」「施策まで活用できていない」といった課題を耳にすることが多くなっています。
こういった課題の原因を整理してみると、分析することが目的になってしまっていることが非常に多く、分析の先に何があるかを考慮した分析設計ができていないケースがほとんどです。
こういった分析の課題を解決するためには、「仮説を立てること」が非常に重要となります。
分析する際に、「セグメント(誰に?)・施策(何を?)・施策の効果(インパクト)」を軸に、それぞれの仮説を立てることで、分析の目的や施策の評価軸が明確になり、効率的に分析から施策までを実行できます。
仮説を軸にした分析事例
では実際に、データ活用において仮説を軸とした分析事例についてご紹介させていただきます。
本事例は、定期的なアンケートによる商品への好意度から「特定商品のファン度(以後ファン度)」を定義しているメーカーにおいて、ファン度が上がる=売上に貢献するという前提の元、 どのような行動がファン度があがるきっかけとなるのかを現状のデータから分析し、施策実施までを検討したいというものです。
この分析事例において行ったステップは大きく分けて下図の5ステップです。
01 ビジネス理解
まずは、施策を行いたいビジネスの前提をデータから整理します。
今回の例では「ファン度が上がる=売上に貢献する」という前提がそもそも正しいのか、データを用いて確認しました。
ファン度毎の平均商品購買個数と商品の単価から、ファン度毎に想定売上金額を算出した結果、ファン度が高いほど、一人当たりの購買個数が高いために売上が高い傾向にあることがわかりました。
このことから、ファン度を上げる施策実施が売上につながるという前提のもと分析を進めることとします。
02 データ理解
次に、仮説を立てるために、分析の材料となるデータを洗い出し整理します。
今回の例では、ファン度が上がるきっかけとなり得る、ユーザーの行動データから補足できるタッチポイントを洗い出し、ファン度毎の行動傾向を確認します。
結果、ファン度が高くなっているユーザーは、商品のキャンペーンページに多く訪れていることがわかりました。
このことから、キャンペーンページへの来訪という切り口で仮説を立ててみます
03 仮説
ビジネス理解・データ理解を通して分析の着眼点を整理出来たら、その内容をもとに仮説を立てます。
今回の例では、データ理解からファン度が高いユーザーはキャンペーンページに訪れている割合が多いことがわかったため、仮にキャンペーンページに来訪するユーザーにアプローチした場合にどれくらいの効果(インパクト)が見込めるかを試算し、仮説を立てます。
この計算結果を、仮説の軸としていた「セグメント(誰に?)・施策(何を?)・施策の効果(インパクト)」にあてはめることで仮説が立てられました。
04 分析
仮説が立てられたら、実際に分析を実行し、仮説を検証していきます。
今回の分析では、Googleが提供するクラウド上のDWH「BigQuery」にて利用できる「 BigQuery ML」によって機械学習を行い、算出される「Shap値」を用いてファン度が上がる顧客の特徴を可視化します。
算出されたShap値は、サマリープロットと呼ばれる図に表現することによって、「予測材料としてどのデータ(特徴量)が予測値に貢献したか」を確認できます。
今回の例では、機械学習の予測材料(特徴量)として、キャンペーンページを含むホームページの来訪データ、アンケート回答データ、メルマガ開封データなどを使い、「ファン度の上がり幅」を予測した際のShap値を算出しました。
05 評価
分析結果を解釈し、仮説が正しいかどうかを確認します。
今回の例では、下記のように「キャンペーンページに訪れる回数が多いほどファン度の上昇に貢献している」ことが読み取れたので、仮説が一程度正しかったことが確認できました。
このように、仮説をたててからそれを軸に分析すると、「仮説が正しいかどうか」という評価軸で確認すればよいので、解釈に迷うことなく効率的に分析を進めることが可能となります。
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さいごに
今回は、顧客分析を行う上で重要な仮説の考え方についての紹介でした。
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