Column

コラム

  • 【テックコラム】Geminiを英語教師にすることで、苦手な英...

【テックコラム】Geminiを英語教師にすることで、苦手な英語の試験を突破した

DataCurrentの大塚です。

突然ですが、皆さん英語は得意ですか? 私はとても苦手です。
外国人が多い場所に行っても、なるべく話しかけられないようにしています。

DataCurrentでは技術力向上の一環としてクラウド認定資格の取得を推進しています。Google Cloudの認定資格であるProfessional Cloud Database Engineer認定試験を受験することにしたのですが、この試験は英語でしか受験できません。
今回は、英語という壁を乗り越えるためにGeminiに英語教師になってもらったお話しをします。

1度目の受験から分かったこと

Professional Cloud Database Engineer試験を初回受験した結果は、残念ながら不合格でした。

Googleの認定試験の特徴として、4択のうち半分は明らかに違う選択肢であることが多いです。そして、残りの2択のうちから細かいニュアンスを通じて1つに絞り込むという事になります。

技術的な知識の問題については比較的解答できていたと思います。
しかし、シチュエーション問題が壊滅的でした。 問題文を読んでも全く頭の中にイメージが沸きません。選択肢についても問題文の言っていることが分からないので、意味不明な状態です。
問題文を理解できなかった問題は体感的に半数近くありました。

不合格の要因は明らかに英語の読解力不足です。

普段、技術的な論文や解説、プログラムなどを英語で読んでいたので読む事はできるだろうと思っていました。しかし、それは翻訳ツール等を使って読めた気になっていただけでした。

学習方法を考える

英語を読む力をどう身につけるかが課題です。

英語の基本から学び直すべきか?

それでは時間がかかりすぎてしまいます。技術的な文章を読めるようになり、試験に合格するまで何年かかるでしょうか。 私の目的は英会話ができるようになることでも、翻訳家になることでもありません。 試験を突破することが目的です。

それでは、 技術文書を英語で読む練習をするか?

それだとこれまでと同じです。読めた気になるだけで終わってしまいます。

そこで思いついたのが、生成AIに英語教師の役割を担わせるというアプローチでした。

単純に翻訳してもらうのではなく

  • 実際の試験に近い英語問題を作成してもらう
  • 自分なりの意訳を回答する
  • その訳に対して添削・指導してもらう

このサイクルを回すことで、問題文を読み解く為の能力が身につくのではないかと考えました。

生成AIに教師になってもらう

数ある生成AIサービスの中から、Geminiを利用することにしました。

GeminiにはGemという、特定の目的に合わせてGeminiをカスタマイズできる機能があります。 これを使用することで、英語教師として役割を与えたGeminiをすぐに呼び出せます。

下図のようにカスタム指示と名前を設定したGemを作成し、いくつかテストをしてみたところ良さそうです。

Gem作成

カスタム指示:

あなたは優秀な英語教師です。
ユーザーの要望に合わせて英語の文章を出題してください。
ユーザーはその文章を日本語に訳して回答するので、それに対する添削を行ってください。
出題は1問ずつお願いします。

このGemを使って、Professional Cloud Database Engineer の出題範囲に合わせた文章を作ってもらいました。 下記はGeminiが作成してくれた問題です。

An e-commerce company wants to analyze customer behavior data, including website clicks, purchase history, and product views. The data is generated continuously and is very large in volume, requiring real-time ingestion and batch processing for historical analysis. The analytics team needs to perform complex, ad-hoc queries on this data without worrying about infrastructure scaling.


Which combination of Google Cloud services would be most appropriate for this use case?


A) Cloud SQL for ingestion, BigQuery for analysis
B) Pub/Sub for ingestion, Dataflow for processing, BigQuery for analysis
C) Firestore for ingestion, Looker Studio for analysis
D) Cloud Spanner for ingestion, Dataproc for analysis

しっかりと、データベースとGoogle Cloudサービスの組み合わせを選択するための問題です。ちなみに、最初の会話は下記のプロンプトで開始していますので、皆さんも試してみてください。

GoogleCloudのDatabase Engineerの試験を受ける予定です。
シチュエーションを問われる問題の練習をしたいです。

問題は4択で出題されます。
今回は問題文を読み解く力を重視するため、答えよりも意訳が出来ているかを重視してください。

添削について

先ほどの問題に答えた際のGeminiからの返答の一部です。

「ウェブサイトのクリックや遷移履歴、表示数のデータ」は「website clicks, purchase history, and product views」に対応します。「purchase history」は「購入履歴」ですね。「遷移履歴」は概ね合っていますが、「購入履歴」も加えるとより正確です。

私がどの部分をどう訳したかを理解し、それに対するコメントを返してくれました。

Geminiの返答には以下のような特徴が見られます。

  • 否定的な指摘をしない
  • 「こっちの方が適切」という形式のフィードバック
  • 具体的な説明を提示

間違っていても優しく教えてくれるので、途中で嫌にならず続けることができました。

学習の結果と注意点

約2ヶ月間、週1~2回程度のペースで学習を続けると、ある程度正解できるようになりました。 そこで、Professional Cloud Database Engineerに2度目の挑戦をしました。

その結果、1度目の時と比較して格段に問題文を理解できるようになっていました。
そして、合格できました!!

Geminiに教えてもらいながら勉強することで、しっかりと文章を読み解く力が付いていたのです。

しかし、いくつか注意すべき点もありました。

  1. 問題の技術的正確性には限界がある
    技術的に間違っている部分もありました
  1. 問題文の傾向は微妙に異なる
    実際の問題文に比べ、Geminiの問題文の方が丁寧な感じがしました

Googleのドキュメントや模擬問題等をソースとして入れれば良くなる可能性はあります。しかし、あくまで補完的な学習ツールとして位置づけるのが適切です。

まとめ

今回、生成AIを英語教師として使うことで、従来の学習方法では得られなかった効果的な英語学習を実現できました。

生成AIを教師とすることで、学習したい分野に特化した問題の生成問題の難易度や傾向の調整個人のペースに合わせた学習進行が可能となり、しっかりと身につけるための学習を行うことができます。

この方法は英語以外の言語でも可能です。 資格試験対策や語学学習に対する皆さんの参考にしていただければ幸いです。

最後に

自社に専門人材がいない、リソースが足りない等の課題をお持ちの方に、エンジニア領域の支援サービス(Data Engineer Hub)をご提供しています。 お困りごとございましたら是非お気軽にご相談ください。

本件に関するお問い合わせは下記にて承ります。
株式会社DataCurrent
info@datacurrent.co.jp

人気のコラムランキング

PICK UP

企業のDX推進におけるダッシュボード内製化について

DXmarketingPICK UP コラムダッシュボード内製化

企業のDX推進に向けた人材教育支援について

GA4marketingPICK UP コラム内製化

【データプライバシーコラム】電気通信事業法改正の解説(2022年7月時点)

CMPPICK UP コラムデータプライバシーデータプライバシーコラム個人情報保護

CMP導入時の注意点

CMPPICK UP コラムデータプライバシーデータプライバシーコラム個人情報保護

TOPへ
戻る