2022.03.25 コラム
Googleアナリティクス4(GA4)とは?導入とそのポイントについて<前編>
はじめに
私は普段、CDPを活用したデータ分析及び、施策立案の支援に従事しています。また、その周辺領域としてGoogleアナリティクスを使った分析等も行っています。最近、Googleアナリティクス4(以下、GA4)の移行を検討されるクライアントが増えてきているので、GA4についての概要のご紹介と導入の際のポイントについてご説明させていただきます。
▽この記事はこんな方におススメ
- GA4がどういうものなのかよくわかっていない
- GA4の移行を検討している
- GA4移行後にどのように活用していいのかよくわかっていない
GA4とは
GA4とはGoogleが提供するサービスで次世代規格の分析サービスのことを指します。2020年10月に正式リリースされたサービスですが、それ以前は「アプリ+ウェブプロパティ」というβ版のサービスとして提供されていました。
「アプリ+ウェブプロパティ」という名前の通り、GA4はウェブのデータだけでなくアプリのデータも同一プロパティで計測することが出来るという特徴があります。
サービスリリースから約1年半、そろそろ移行を検討する企業が出てきております。まだ検討されていない企業もこれを機にぜひ検討してみてください。
GA4とUAの違いとメリット
GA4とUAで違いやメリットをいくつかご紹介いたします。
● GA4ではウェブとアプリを横断して分析が可能
先ほどもご説明した通り、GA4ではウェブのデータだけでなくアプリのデータも一つのプロパティで横断して分析することが可能になりました。これはユーザーがサイトやアプリまたぐサービスを提供する企業にとっては最大のメリットになるかと思います。
また、サイトとアプリの共通キーを持たないような場合でも、Google Signalの連携をONにすることで、クロスデバイスでユーザーの行動を把握できるようになります。
● 収集しているデータの定義が変わる
GA4では基本的にイベントトラッキングによりデータを収集しているため、UAで取得しているPV(ページビュー)のような概念が無くなります。
これまでアプリのデータをFirebase等で見てきたユーザーであれば問題ないかもしれませんが、ウェブのデータをUAで見てきたユーザーだと最初は慣れないかもしれません。
● ビューの定義が無くなりプロパティでデータを見る
GA4ではビューの定義が無くなり、プロパティでデータを確認することになります。
なので、これまでビューで見るべき指標を切り替えていたユーザーは、同一プロパティ内でフィルタをかけるなどして確認していただく必要があります。
● BigQueryの連携が無料
BigQueryとはGoogle Cloud Platform 内で提供されるサービスで、大規模なクエリによるデータ解析をすることが出来る、データウェアハウスのことを指します。
BigQueryの連携はこれまでのUAの場合、無料アカウントでは利用できず、有料版のGA360の契約をする必要がありました。しかしGA4では無料アカウントでもBigQueryと連携することが出来るので、これまで以上に大規模かつ柔軟な分析が可能になるでしょう。
GA4の移行
GA4の移行は「新規にプロパティを作成するパターン」と「既存プロパティをアップグレードするパターン」の2種類がありますが、今回は前者の新規作成するパターンをご紹介します。
● プロパティを作成する
①管理画面を開く
②「プロパティを作成」をクリック
③「プロパティ名」「タイムゾーン」「通貨」を設定
④「次へ」をクリック
⑤「業種」を選択
⑥「ビジネスの規模」「GAの利用目的」を設定
⑦「作成」をクリック
● データストリームの作成
データストリームとはデータを収集している特定のウェブサイトやアプリのことを指します。一つのプロパティ内でウェブサイトとアプリ複数のデータストリームを計測することが可能となっています。 ①ウェブサイト計測の場合は、データストリームで「ウェブ」を選択
②ウェブサイトのURLを入力
③ウェブサイトの名前を入力
※入力した内容はデータストリーム作成後に変更できませんのでご注意ください。
● 測定機能の強化
「測定機能の強化」を管理画面上で有効にすることで、基本的なイベントの計測を自動で行うことが出来ます。
①トグルが「オン」になっているのを確認
②「ストリームを作成」をクリック。
以上で移行に伴う最低限の作業は完了となります。
GA4移行の際の注意点
GA4とUAの違いとしてウェブとアプリのデータを同一のプロパティに統合することが出来ると説明しましたが、統合の際には注意が必要です。 ケースとしては既にFirebaseのデータをGA4にリンク設定しているケースです。
図のように既にFirebaseを既存のGA4プロパティを紐づけていて、改めて新規プロパティにウェブのデータとアプリのデータを統合しようとする際ですが、既存のプロパティの連携を解除した際にFirebase内のデータが消去される仕様となっています。
一応、既存プロパティの方にデータは残りますが、Firebase内のデータは削除されるため、新規プロパティにリンク再設定をしても、そこからのデータしか連携されなくなってしまいます。
このようなデータのサイロ化が発生してしまうリスクがあるので、Firebaseのリンク設定を既にされている場合は、安易に設定解除をせず、どのプロパティに統合するか社内で検討をしてください。
まとめ
いかがだったでしょうか?GA4についてのご紹介と、UAとの違い、そして移行の基本的な設定等をご紹介しました。 実際に移行をする場合はもっと考慮すべきことが企業ごとにあるでしょうし、GA4移行後の活用方法もしっかりと決めておく必要があります。
次回の後編の記事ではそういった点についても紹介させていただきます。
また、GA4を活用したクッキーレス対策サービスも提供しております。
ご興味がある方は下記より詳細をご確認ください。
》「GA4×Google Cloud×GTMを活用したクッキーレス対策」の詳細はこちら
本件に関するお問い合わせは下記にて承ります。
株式会社DataCurrent
info@datacurrent.co.jp