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コラム

生成AI-Generative AI App Builderを活用したチャットボット開発へのチャレンジとその背景

DataCurrentは、企業が生成AIの導入・活用において直面する課題に対して、豊富な知見と高い技術力を基に、昨年リリースされた生成AI「Generative AI App Builder(現:Vertex AI Agent Builder)」を活用したチャットボット構築に成功いたしました。

先行して市場で活用されていたBardとは異なり、検索エンジンそのものに組み込まれているGenerative AI App Builderは検索成果の拡張を目的とし、特にユーザーの商品検索においてその有用性は高い。

リリース間もないタイミングでGenerative AI App Builder活用に至ったのはなぜなのか、今回の開発背景に始まり、今後の企業競争力のターニングポイントになるであろう生成AIツールの企業導入、さらに、この動向を踏まえたうえでDateCurrentとして市場へどのようにアプローチできるのか社内の開発メンバーを迎えての座談会の様子を3部に渡ってお届けします。

AI座談会様子

司会:
早速ですが、今回開発したツールの説明を簡単にしておきましょうか。

大島:
はい。今回の制作物は2つです。
一つ目は社内ドキュメントを検索するチャットボット。
二つ目はメーカー商品の外部サイトでの価格をインターネット上で検索して回答するチャットボットです。
これを開発するにあたって、クライアントから生成AIを活用してほしいというリクエストがありました。

司会:
要件定義前の段階でクライアントから生成AIを活用してほしいとリクエストがあったんですね。
そもそも営業の段階ではどんなお話をされていたんですか?

大島:
構築の背景としてはすでに同じクライアントと別件でデータを活用するプロジェクトが進行していたんです。
それとは別で、並行しながら社内のデータを活用して業務を効率化していきたいというリクエストをいただきました。

ITチームが社内のQ&A対応でかなり手を取られてしまっている点を改善したいとのことでした。
この件に関してはとにかく早く活用フェーズに落とし込みたいと言われたんです。
すでに別の同様ツールを導入検証していて、わたしたちが提供できるツールと比較検討したいとのことでした。

司会:
コンペに近いような状況だったということでしょうか。

大島:
そうですね。まさにコンペに近いような状況でした。
ですが、すでに導入されていたツールは最終フェーズまで検証が進んでいたんです。
弊社としては納品まで1カ月ぐらいしかない状況でしたね。
営業の段階でスケジュールがビハインドしているという所からのスタートでした。

▼実際の納品スケジュール(4Wでお客様がPoCとして挙動確認出来る状態に)

スケジュールイメージ

司会:
そんな状態でもDataCurrentに依頼が来たのはなぜなんでしょう。

大島:
今までの実績とクラウド活用をした開発で信頼感を得ていたこと、すでに進行していた別プロジェクトでの実績への信頼があったからだと思います。
社内での利活用、導入後のどのように発展的に活用していけるかどうかのアイディア支援も評価していただいていたのがご依頼の背景です。

司会:
長期的なパートナーとしてのご支援にメリットを感じてもらえたんですね。
実行部門としてDataCurrentのテクノロジー部門のリーダーであるジョージさんはこの要件を聞いてすぐに構築のイメージはできましたか?

ジョージ:
今までDataCurrentが取り組んだことのない領域だったこともあり、お話を聞いたその場ではプロジェクト遂行のイメージができませんでした。
納期が明確ではないものの早々に着手が必要である点も懸念要素でしたね。
その時点でほかのクライアント案件も走っていて、このプロジェクトを遂行するにあたってのリソースの確保も課題でした。

ですので、まずはプランニングの上でチャットボットの開発方法などのリサーチをしてイメージをふくらましていくところから着手しました。
おおよそのイメージが出来たところで今回のプロジェクトに必要な技術を持った有識者をアサインしました。

司会:
各領域のスペシャリストはどのようにアサインしたんですか?

ジョージ:
メンバーアサインは比較的スムーズでしたね。
実は昨年の6月ごろから自分を含めた社内の3名でLLM向けの情報共有の取り組みをしていたことが功を奏しました。
その取り組みに参加していたメンバーはこのプロジェクトに必要な知識をすでに持っていました。

加えて実際にシステムを構築し洗練させ、アーキテクチャとしての妥当性を担うメンバーとしてテックリードの山本さんをアサインしました。

司会:
テックリードとしてメンバーアサインされたとき、要件のゴールやスケジューリングのイメージはできていましたか?

山本:
実はそこに関してなんですがテックリードとしてはあまりプロジェクトリードをする必要がありませんでした。
僕以外でアサインされていたメンバーからのアイディアが的確・適切だったからです。
この点がこのプロジェクトの特徴的かつ、スピード感が求められるなかでもスムーズに進行できた要因でもあるんじゃないでしょうか。

事前にトレンドを察知して早いうちから情報共有、スキルの蓄積ができていたことでアサインされていた3名がプロフェッショナルな動きをしてくれて助かりました。

司会:
なるほど。すでに今回の開発領域でのプロフェッショナルが社内にいたのですね。
ここからは岩佐さん、ジョージさん、奥村さんを中心にお話を聞かせてください。
まずは何で作るか、どう動作させるかというイメージは早い段階でできていたのでしょうか。

ジョージ:
最初の段階ではイメージできませんでした。
その当時の生成AIの技術としてはPaLM2が日本語に対応した段階でした。
今回の納品物となるVertex AI Searchは日本語に対応しておらず、まだプレビューの段階で部分的にしか利用できませんでした。

巷ではランニングチューンというフレームワークを活用した実績がありましたが、実際に企業へ導入されている実績はほとんど見当たらなかったんです。
何を選定すべきか、その検討から始める必要がありました。

司会:
納期も短いなかでどんな構築方法・フレームワークを選定していったんでしょうか。

金子:
Vertex AI Searchというサービスを使って、ユーザーからの質問に対して検索して関連するドキュメントを返してもらい、それをAPIで要約するアプリを使用することにしました。
システム構築はプログラムしたんですが、ユーザのUIはスクリームリットというライトに構築できるフレームワークで納品しました。
あとは生成AIの開発フローって、実際に体感してもらってから修正をかけていくという流れなんです。

今回の場合は特に、ユーザー側のUIがどれだけデザイン性に優れているかどうかよりも実際のAIの処理、使いやすさに焦点を充てることが最優先だと考えました。
開発に要する時間とクオリティにプライオリティを高く設定したという背景が今回のフレームワークの選定理由です。
実際にAIの処理の構築を担当していたのは奥村さんとジョージで、岩浅さんはデータベース側の構築に回ってもらいました。

司会:
今回は、プロジェクトが発足した背景からメンバーアサインまでのお話でした。
DataCurrentとしては初めての開発領域ながらもメンバーアサインがスムーズだったのは日頃のナレッジ共有が盛んだったことが大きな要因と言えますね。

第2部は、実際の開発フェーズでのお話しとなりますので乞うご期待!
第2部につづく。。。

さいごに

■DataCurrentについて

DataCurrentは、生活者主体の考え方に基づくデータ活用を推進する専門会社として2019年6月3日に設立いたしました。
お客様の課題に沿ったデータ活用推進に必要なサービスを一貫して提供しています。
(サービス例:CDP導入支援、データ戦略設計、分析、広告配信、データプライバシーに関するアドバイザリーサービス、新事業立ち上げ支援)

■DataCurrentが提供する「生成AI利活用支援サービス」の特徴

~環境整備から短期間での実装実現までを一気通貫でサポート~
DataCurrentは、企業が生成AIの導入・活用において直面する課題に対して、豊富な知見と高い技術力、外部パートナーとの連携を活かし、環境整備から総合的なサポートを提供します。
また、短期間で企画・構想から開発・実装までを実現するPoCパッケージも提供しており、企業のAI活用をスムーズに進められるようサポートします。
また、短期間で企画・構想から開発・実装まで実現するPoCパッケージもあわせて提供いたします。

AIリリースイメージ図

本サービスの詳細については、下記よりご確認いただけます。
》サービスの詳細はこちら

【本件またはリリースに関するお問い合わせ先】
株式会社DataCurrent
E-mail:info@datacurrent.co.jp

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